日に日に陽ざしが強くなる季節。
気づけば暦は「立夏」も過ぎ
春から初夏へと移り変わる時期になりました。
気温や気圧の変化に加えて、
日差しの強さや湿気も加わるこの季節――
身体は知らず知らずのうちに
疲れをためがちです。
なんとなく重だるい、
やる気が出ない、
お顔がむくむ、
肌が揺らぐ……
そんな“初夏のゆらぎ”には、
毎日の食事でのケアがとても大切です。
今回は、巡りを促し、
胃腸をいたわり、
肌や心を内側から整えてくれる、
初夏にぴったりの
普段使いの料理をご紹介します。
ごぼうと黒酢が香る肉団子、
新じゃがとスナップエンドウの塩バター炒め、
身体をやさしく温めるトマトと卵のスープ、
そして抹茶の和スイーツ。
「美味しく食べて、健やかに整える」
季節の変わり目に
自分の体をいたわるごはんを楽しんでみませんか?
最後に動画もありますので、
そちらも参考になさってくださいね。
ごぼう香る黒酢肉団子

~巡りを助け、腸を整え、
エイジングケアにも~
豚ひき肉に
たっぷりの柔らか新ごぼうと
玉ねぎを加えた肉団子。
黒酢のタレが食欲をそそります。
また、肉団子は
オーブンで焼くため
油っぽくならず
調理も簡単!
◆薬膳・美容ポイント
- 豚肉は、
薬膳では「潤い」を与える食材。
乾燥肌や喉の渇き、
便秘など
“陰虚(潤い不足)”タイプの人におすすめ。
タンパク質もしっかりとれるので、
肌や髪の生成に必要な材料を
補ってくれます。 - ごぼうは
「腸の掃除屋」ともいえる存在。
食物繊維が豊富で、
腸内環境を整えることによって
肌荒れの予防に役立ちます。
さらに薬膳では
「血の巡りを促す」
作用があり、
冷えや肩こり、
月経不順のケアにも。 - 黒酢は
「血を養い、気を巡らせる」食材。
イライラや倦怠感に悩む
春の体にぴったり。
クエン酸によって
代謝を助け、疲労回復にも◎。
甘辛くて食欲が進むタレは、
にんにくの風味がアクセント。
ごはんとの相性も抜群です。
レシピ
<約20個分>
豚ひき肉 400~500g
塩 ふたつまみ
こしょう 少々
玉ねぎのみじん切り 80g
新ゴボウ 80g
片栗粉 大匙2
卵1個
酒大匙1
〈黒酢ソース〉
砂糖 大匙2
黒酢 大匙2
醤油 大匙2
にんにくすりおろし 1片分
水 大さじ2
①新ごぼうと玉ねぎはみじん切りにしておく。
②豚ひき肉と塩、胡椒、
片栗粉、卵、酒をボウルに入れて
よく混ぜ合わせる。
③②をゴルフボウル大に丸めて
オーブンの天板に並べる。
④200度に予熱したオーブンで20分焼く。
⑤フライパンに黒酢ソースの材料を
入れて煮立てる。
⑥焼き上がった肉団子をフライパンに入れて
煮詰めながら絡める。
じゃがいもとスナップエンドウの塩バター

~胃腸をいたわり、
巡りを整える、やさしい副菜~
新じゃがを使った一品!
ホクホクのじゃがいもと
シャキッとしたスナップエンドウ。
塩昆布のうま味と
バターのコクが絶妙です。
仕上げにパラパラっと
粗塩を振りかけていただきます。
◆薬膳・美容ポイント
- じゃがいもは
「脾(胃腸)」を助ける食材。
疲れやすい人、
食欲が落ちている時にぴったり。
カリウムも豊富でむくみ対策にも効果的です。 - スナップエンドウは春の恵み。
鮮やかな緑色は、
肝をいたわる「青」の食材で、
イライラや目の疲れにも◎。
ビタミンCも豊富なので、
美白ケアにも。
バターや塩昆布をさりげなく使って、
素材の甘さを引き立てるのがポイント。
仕上げの塩で、
満足感もアップします。
レシピ
新じゃが 10個
スナップエンドウ 10〜15本程度
塩昆布
バター 15g
粗塩 少々
①新じゃがは皮をよく洗い、
少し大きめにカット。
②スナップエンドウは
スジを取っておく。
③鍋に新じゃがを入れて
水を少量入れ、
蓋をして火にかける。
④沸騰したら弱火にして
柔らかくなるまで煮る。
⑤じゃがいもに火が通ったら
スナップエンドウと
塩昆布を加える。
⑥再度蓋をして2〜3分加熱。
⑦蓋を取り、水気を飛ばして
バターと粗塩で味を整える。
トマトと卵の生姜スープ

~巡りと潤いを補い、
冷えにも負けない身体へ~
ふんわり卵と
トマトの酸味が優しいスープ。
生姜の香りが食欲をそそり、
身体を芯から温めてくれます。
◆薬膳・美容ポイント
- トマトは
「清熱生津(熱を冷まし潤いを生む)」
の作用があります。
のぼせや肌の赤み、
吹き出物が出やすい春におすすめ。
リコピンには抗酸化作用があり、
美肌とアンチエイジングの味方です。 - 卵は「血と精を補う」食材。
ホルモンバランスを整え、
肌や髪を健康に保つ力があります。 - 生姜は「温性」の食材で、
冷えからくる不調に効果的。
胃腸の働きを助け、
消化吸収をサポートします。
少量のごま油が風味を引き立て、
食欲のない朝や疲れた夜にもぴったりな、
やさしい味わいのスープです。
レシピ
(3〜4人分)
トマト 中2個(ざく切り)
卵 1個(溶きほぐす)
生姜 1かけ(みじん切り)
長ねぎ 1/ 3本(斜め薄切り)
ごま油 小さじ2
水 500ml
鶏がらスープの素 小さじ2〜2.5
塩 少々
こしょう 少々
お好みで香菜やネギ、白ごまなど
①長ネギは斜めにスライス。生姜はみじん切り。
②鍋にごま油をひいてネギと生姜を
香りが出るまで炒める。
③ざく切りにしたトマトを加えて
くったりするまで炒める。
④水、鶏がらスープ、塩こしょうで味付け。
⑤煮立ったら2〜3分煮て、
溶き卵を流し入れる。
⑥皿によそい、
パクチーやごま、
ネギなど好みのものを添える。
抹茶団子

~心を落ち着け、
巡りを助ける、和の甘味~
簡単!もちもち!
おいしい!!
白玉粉と豆腐で作る白玉団子に、
抹茶を練り込んだヘルシーなデザート。
砂糖控えめで、
あんこやきなこ、
黒蜜をお好みで添えて楽しみます。
◆薬膳・美容ポイント
- 抹茶は、
薬膳では「清熱解毒」。
体にこもった余分な熱を取り、
気持ちを穏やかに整えてくれます。
カテキンには抗酸化作用があり、
アンチエイジングや
肌のくすみ対策に◎。 - 豆腐は
「陰を補い、熱を冷ます」食材。
潤い不足や
肌の乾燥が気になるときに最適で、
植物性たんぱく質も豊富。
ホルモンバランスの乱れにも
アプローチしてくれます。 - きなこや黒蜜は
「補気・補血」の働きがあり、
疲れやすい人、
肌のくすみが気になる人に嬉しい存在。 - 小豆
今回の抹茶団子には、
動画では
発酵あんこを添えてみました。
小豆と米麹でつくるやさしい甘さは、
腸にもうれしい発酵スイーツ。
小豆の巡り効果と、
麹による腸内環境のサポートで、
体の内側から整える
“食べるお手当て”になります。
自然な甘みで
罪悪感なく楽しめるのも魅力です。
手軽に作れて罪悪感なしのスイーツは、
心にも栄養を与えてくれます。
レシピ
(12個前後)
白玉粉 60g
豆腐 60 g
砂糖 15g
抹茶 小匙1
水少々(調整用)
あんこやきなこ、黒蜜を好みでトッピング
①ボウルに白玉粉と豆腐、
砂糖を入れて
白玉粉が見えなくなるまで
練るように混ぜる。
滑らかな、耳たぶくらいの
柔らかさにする。
足りなければ少量水を足す。
②12個ほどに分けて丸め、
中央を押しつぶす。
③沸騰した湯で茹でる。
浮いてきてから1〜2分を目安に。
④氷水に取って冷やす
⑤水を切って皿に盛り、
あんこやきなこ、黒蜜等
好みのトッピングをする。
レシピ動画
こちらの動画に
今回の4品をまとめてあります。
作り方も、動画だとより
わかりやすいと思いますので
ぜひご覧になってくださいね。
どのお料理も
とっても簡単なものばかりです。
肉団子をオーブンで焼いている間に
じゃがいもを煮て…
さらに時間があればスープも
作り始めて…
と同時進行できるメニューとなっています。
「美味しく整える」日々の食卓で、
未来の私をつくる
季節の変わり目こそ、
自分をいたわるごはんを。
初夏は、
気温や湿度の上昇に身体が追いつかず、
だるさや不調、
そして美容の大敵でもあるむくみが出やすい季節。
そんな時こそ、
「何を食べるか」
で心身のバランスを整えることができます。
巡りを助け、
胃腸をいたわり、
気持ちまで軽くなるような食材たちを、
今回のレシピにたっぷりと詰めこみました。
手の届く範囲で、
無理なくできることを少しずつ。
そんな食卓の積み重ねが、
未来の自分をきっと支えてくれます。
今日も、台所から健やかさと美しさを!